仕事内容

施工管理の仕事とは?元施工管理者が教える1日の業務内容

2021年4月7日

建設ラッシュである現在、建設業に関わる仕事は人気を呼び、建設会社は人員を多く集めたいと考えています。その中でも施工管理は特殊な仕事であり、1日の業務内容は想像しづらく、「どのような仕事なのだろう」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
その疑問を解消すべく、本記事では「元施工管理者が教える1日の業務内容」と題し、施工管理の仕事について詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読むことで、施工管理の仕事の流れや仕事の際に必要な内容を把握することができるでしょう。

 

施工管理の仕事内容とは

施工管理の仕事の流れを紹介する前に、まずは施工管理の仕事内容についてお伝えします。施工管理の大まかな業務内容は下記の通りです。

 

■ 設計図及び施工図の確認

まず一つ目は、設計士が作成した設計図の読み込みと施工側で起こした施工図の確認です。「こう作って欲しい」という設計士の意思表示の図面が「設計図」であり、設計図を元に更に施工検討した図面が「施工図」になります。
現場では、この施工図を元に制作が進められるため、事前に図面の内容を頭に入れておく必要があります。

 

■ 工程の調整・確認

二つ目は、工程の調整・確認です。実際に現場が始まると、あらゆる工種の職人が指定した日に現場を訪れ作業を開始していきます。
制作には順序があるため、工程が正しく組めていないと、現場に支障をきたす可能性が出てくるのです。それを避けるために各工種の協力会社とは綿密に打ち合わせを重ね、その打ち合わせを基に工程を調整していかなければなりません。

 

■ 職人への連絡及び打ち合わせ

三つ目は、職人への連絡及び打ち合わせです。搬入場所はどこで、作業時間は何時からなのか、そして現場のルールは何かなど、現場に入る前に重要な情報を伝える必要があります。
一人ひとりに打ち合わせする時間がない場合は、重要事項をまとめた連絡用紙を作成しメールすると良いでしょう。
当日の作業を順調に進めるためには、このような連絡は必要不可欠です。

 

■ 各種届出の確認・提出

四つ目は、各種届出の確認・提出です。作業することを伝える作業届や、火を使う場合の火気使用届など、現場ルールによって様々な書類があります。原則これらは作業数日前に提出する必要があり、これらを提出しなければ作業ができない決まりになっています。
届出の提出は施工管理の役目になるので、忘れずに行うようにしましょう。

 

1日の流れ

続いては、施工管理がどのような1日を過ごすのかについて、今回は日中作業の1日の流れを例に午前と午後に分けて解説していきます。

< 午前 >
 7:00 新規入場教育
 7:30 ラジオ体操
 7:45 朝礼
 8:00 作業開始
 10:00 休憩
 12:00 昼食

新築案件などの場合、現場は8時(もしくは7時)から開始する場合が多いです。その場合に済ませておくべきことは、「新規入場教育」です。新規入場教育とは、新しく現場に入る職人に対して現場ルールや施設ルールを教えることです。
現場では入場口や搬入口が分かりにくい場合が多く、初日は所定の時間に集合できない場合があるため、余裕を持った集合時間に設定しておくと良いでしょう。
次に行うべきことは、その日の管理者や職人を集めた「朝礼」です。朝礼は1日の作業内容を全員で共有し、誰がどのエリアを作業するかを把握するために行います。
また、火を使う作業や高所作業のような危険を伴う作業を行う際には、時間と場所を全員に伝え、近くで作業が起こらないようにします。危険を予知し未然に防ぐことは施工管理の重要な任務になります。
さらに、大きな建設現場では、全体で「ラジオ体操」を行う場合があります。体を動かす職人にとって準備体操はとても重要になるため、全員に行わせるようにしましょう。
現場が開始すると、施工管理は現場巡回を行います。施工方法の確認や作業ルールを遵守しているかをチェックし、是正が必要であれば指摘が必要です。
また、休憩は必ず午前に1回は取らせるようにし、体を休める時間を確保するようにしましょう。

 
< 午後 >
 13:00 作業開始
 14:00 施設側との会議など
 15:00 休憩、情報共有
 15:30 作業開始
 16:30 作業終了、片付け
 17:00 撤収

午後は、午前の続きの作業を行います。一度全体で昼礼をしてから作業を行うと良いでしょう。
また、午後は施設側との会議など、現場以外での打ち合わせが発生する場合が多々あります。自分が抜ける際には必ず他の施工管理者や職長に声をかけ、自分が現場から離れることを伝えましょう。
会議は30分〜1時間ほどで終了する場合が多いので、休憩時間を使って他の施工管理者や職長に重要事項の伝達を行い、口頭だけでなく現場のホワイトボードに書き残すなどして、全体共有のメモを残すようにすると良いでしょう。
休憩終了後は、最後の作業巡回に移ります。自分が現場から離れている間の進捗確認や是正指示はもちろんのこと、翌日に行う作業の確認を各職人と話し合い、取りまとめていくようにしましょう。
そして、撤収完了時間までに清掃や工具の片付けを全員で行い、作業終了となります。
ちなみに火器作業を行った際には、引火の恐れがないか残火確認が必要になります。現場ルールに従い、施工管理者は最後まで立ち会うようにしましょう。

 

施工管理が現場ですべきこと

施工管理の仕事内容と1日の流れが把握できたところで、次に施工管理が「現場ですべきこと」についてお伝えします。
施工管理は現場のあらゆる面を管理しなければいけない役割であるため、特に「対人関係」は重要になってきます。主に下記の点を心がけましょう。

 

雰囲気作り

まず一つ目は、現場の雰囲気作りです。切羽詰まった状況になると、どうしても現場に緊張感が走り、時には険悪な雰囲気になることもあるでしょう。そういった際に、全体の雰囲気まで悪くならないように配慮することが、施工管理のすべき役割です。
緊張感は持ちつつも、明るく元気な現場の雰囲気を保てるように心がけましょう。

 

職人とのコミュニケーション

二つ目は、職人とのコミュニケーションを図ることです。施工管理は管理項目が多いため、つい同じ立場の施工管理者や職長としか話さず、実際に作業をしている職人とのコミュニケーションが薄くなってしまう傾向にあります。そこで、一人ひとりの名前を覚えることや、時には現場と直接関係のない話をするなどして、現場の雰囲気を明るくする意識を心がけましょう。

 

各種確認作業

三つ目は、各種確認作業です。品質はもちろんのこと、足場や工具などの点検なども怠らないようにしましょう。万が一、使用道具に不備があった場合、事故につながるケースが非常に高いです。
施工管理は現場で働く人々の命も管理する重要な役割であるため、各種確認作業は気を引き締めて行うようにしましょう。

 

まとめ

施工管理の1日の流れは施設ルールに準ずることが多く、あらゆる場合が想定されますが、どの現場に行っても上記でお伝えしたような基本の流れは大体同じなので、ぜひ参考にしてみてください。
施工管理の仕事は段取りが重要です。特に初心者の方は上記の流れを実際の現場に落とし込み、イメージしてから現場に向かうことをおすすめします。

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