2021年4月7日
施工管理の仕事は大変やりがいのある仕事です。現場で指揮を執り、リーダーシップを発揮し綿密な管理業務をこなして工事を進めていきます。また、工事現場で働く関係企業や職人の方々と円滑なコミュニケーションを取るために細やかな気配りも必要です。
このような業務を遂行するためにはさまざまな経験や勉強が必要ですが、まずは健康が第一です。
そこで本記事では、施工管理として気をつけるべき病気と予防のためのアドバイスについて解説していきます。
施工管理者は、状況や環境に応じて施工計画書や工程管理表を作成し、可能な限りそれに沿った形で現場を進めていかなくてはなりません。
ただ、何もない場所に1から構造物を創る以上、自然も相手にしなくてはならないため、突然の雷雨や台風の発生などで工事計画の変更を余儀なくされる場合も少なくありません。
その際、施工管理者は関係各所への連絡や指示出し、工事計画の変更などの対応をしなくてはならないため、どうしても残業が発生する場合があります。
また、現場内で事故や怪我が発生した際も、関係各所への連絡や報告、安全基準の見直しや新たな計画書の作成などの対応が必要となります。
このように、常に状況が変化していく建設現場では、問題が起きた際にいかに迅速な対応を取るかが重要であり、後に大きな問題が起こらないようにしなければなりません。その結果残業や休日出勤が増えてしまう傾向があるのです。
建設現場では、人通りの少ない早朝や深夜に工事を行う場合もあるため、どうしても不規則な生活になりやすい傾向にあります。そうなると、外食やコンビニ弁当など栄養が偏った食生活が中心となり、不規則な勤務時間が原因で寝不足にもなるため、生活習慣病を引き起こすリスクを高めてしまいます。
年齢が若い内はなんとか頑張れたとしても、このような状態を長く続けていることは決して体には良くありません。
そこで、施工管理者がかかりやすい病気とその対策について解説していきます。
特に単身赴任で施工管理の仕事をされている方は食生活が偏りやすくなる傾向にあり、その分糖尿病になるリスクも高まります。
また、朝食を取らず出勤し、昼は出前のお弁当、夜は接待や外食、コンビニ弁当などで済ませている方もいるのではないでしょうか?
糖尿病対策には、適度な運動と食生活の改善が不可欠です。運動の時間を確保するのがなかなか難しいという方は、現場の進捗状況や安全確認も兼ねて現場を積極的に歩いたり、お風呂上がりに軽いストレッチをするだけでも予防につながります。
また、食事に関しては糖質や脂質を控えるように心がけましょう。自炊が厳しいという方などは、サプリメントで栄養補給をすることもおすすめです。
残業や深夜の作業などが多くなると、人間の脳内にある体内時計が狂ってしまいます。それが原因で自律神経やホルモンバランスなどが乱れ、睡眠障害の他にも頭痛や倦怠感、食欲不振といった身体的な不調を引き起こします。
睡眠不足解消の基本は規則正しい生活を心がけることです。翌日に回せる仕事は残業で消化せず翌日に回すようにし、残業や夜の接待などはなるべく早く切り上げ、早めに就寝するようにしましょう。
また、休日は自宅でゆっくり過ごし十分な休養を取ることを心がけましょう。それでも睡眠不足の状態が改善しない場合は、睡眠障害専門の医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
うつ病になりやすい人の特徴としては、まじめ・責任感が強い・完璧主義・悩みを抱え込んでしまうなどの特徴を持つ人が多いとされています。
厚生労働省が実施している患者調査によると、うつ病や精神疾患の発症者数は、1996年には43.3万人、1999年には44.1万人でしたが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と、大きく増加しています。
このように、うつ病は今では決して珍しい病気ではなく、誰もがかかってしまう可能性のある病気と言えるでしょう。
予防としては、仕事とプライベートのメリハリをつけることが重要です。悩みがあれば知人や家族に相談し、休日は趣味や自分の好きなことに時間を使うようにすることで、効果的なリフレッシュを図ることが重要です。
※引用元:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」うつ病患者数
前述のように、施工管理の仕事に従事している方は、糖尿病や睡眠障害、うつ病などを引き起こしやすい環境にいると言えます。
厚生労働省の情報提供サイト「e-ヘルスネット」では、糖尿病患者の約30%にうつ病の症状があると言われており、糖尿病はうつ病になりやすいと解説されています。
原因としては、糖尿病患者は食事制限や運動などの自己管理が求められ、長く続く治療がストレスになることからうつ病が併発するのではないかと考えられています。
また、うつ病を発症していると運動不足になり、自己管理も難しくなることから糖尿病になりやすいとも言われています。
このように、糖尿病とうつ病には因果関係があると言えるでしょう。
不規則な生活になりやすい施工管理者は、生活習慣病が非常に懸念されます。生活習慣病からうつ病につながる場合もあるため、現在の生活環境に問題がないかを確認し、自身の体調管理や生活習慣には十分気をつけ、しっかりと業務を遂行していけるようにしましょう。
