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仕事内容

建築事務とは?仕事内容や役立つ資格を解説

2021年8月6日

建設業界は、他の業界と比べて特殊な業界であるため、建設業界の「事務職」も他業界とは異なるスキルや知識が必要になります。
また、近年建設業界は深刻な人手不足などにより事務職の求人も多々出ていますが、他と差別化を図る目的として「資格」を取得することで、希望する会社への転職にも有利に働くでしょう。
そこで本記事では、建築事務の仕事内容や役立つ資格について詳しく解説していきます。建築事務として働くメリットなども紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

 


 

建築事務とは

建設業界の事務の仕事は、一般事務と同じく基本的にはデスクワークになりますが、実際の業務は他の業界と異なる業務が多々あります。
まずは建築事務の具体的な仕事内容を確認していきましょう。

建築事務の仕事内容

建築事務は、以下のように様々な役割を担っています。
・経理
・総務
・労務安全環境
・現場事務

経理、総務

経理や総務は他業界と同じく、会社や支店のバックオフィス業務です。経理は請求処理や工事見積もりの管理などを行い、総務は一般事務として会社の備品調達から職場環境の整備などを行います。
また、仕事では会社が指定する管理システムを使用することが多いので、基本的なパソコン操作はもちろんのこと、独自システムの運用方法を覚える必要があるでしょう。

 

労務安全環境、現場事務

労務安全環境業務では、工事を行うにあたり必要な施工体制台帳の作成や、その他現場資料を作成します。
また、現場事務の場合は工事現場に常駐し、工事で使用する事務所の整備や書類の作成などを行います。

 

他業界の事務との違い

上記で解説したように、建築事務には他業界にはない業務があります。主な違いは以下の通りです。

働く場所がオフィスだけではない

まず一つ目は「働く場所がオフィスだけではない」点です。建築事務の中には現場付近の事務所に常駐する「現場事務」という仕事があります。現場事務の場合、本社や支社に出勤する頻度は限りなく少なく、基本的に現場事務所へ出勤します。現場によっては通勤に時間がかかる場合もあるので、現場の場所を都度確認しておくと良いでしょう。

 

勤務時間が就業先によって異なる場合がある

二つ目は「勤務時間が就業先によって異なる場合がある」点です。他業界の事務職の場合、会社が定める定時で働くことが多いですが、現場事務のように工事現場に関わる仕事をする場合は、工事現場の労働時間にあわせて働くため勤務時間が異なる場合があるため、勤務時間は必ず確認するようにしましょう。

 

建設業界の知識が必要になる

そして三つ目は「建設業界の知識が必要になる」点です。建設業界では、工事に必要な重要書類や作業届など、他業界に比べて特殊な書類が多々あるので「どんな書類が必要か」ということを把握しておく必要があります。書類の不備があると工事が中止や延期になる場合もあるので、しっかり勉強し覚えるようにしましょう。

上記で説明した通り、建築事務は他の事務よりも特殊な仕事があります。そのため転職する場合は、業界経験者が最も望ましい傾向にありますが、建築事務に関わる「資格」を取得することで、未経験者でも大きなアピールポイントにすることができます。
また、企業によっては条件交渉も有利に働くので、ぜひ資格取得にチャレンジすることをおすすめします。なお建築事務に役立つ資格に関しては次に解説していきます。

 

建築事務に役立つ資格

建設事務への転職で役立つ項目は「経験」と「資格」です。ここでは業界経験者および未経験者の方に向けて、「資格」について解説します。建設事務に役立つ資格は、主に下記の5つです。

建設業経理検定試験

「建設業経理検定試験」は、建設業に関する会計知識やスキルを証明できる資格です。この資格を保有していると建設業界の経理に関する知識が認められるため、転職時の条件交渉にも有利に働くでしょう。業界経験者の方や建築事務を目指す方にはオススメの資格です。

 

建設業経理事務士試験

「建設業経理事務士試験」は、建設業の経理に関係する会計知識や会計処理能力を証明できる資格です。
建設業界では、様々な工事書類に加えて独特な専門用語を使うため、建設業に関する基礎知識は必須となります。そのため、建設業経理検定試験と同様に、建設業の経理を目指す方は取得した方がよい資格といえるでしょう。

 

宅地建物取引士

「宅地建物取引士」は、土地や建物の売買や取引ができる国家資格です。建設業界では宅地建物取引士の資格取得者の配置が必要であるため、建設業界への転職にも有利に働く資格です。
また、難易度の高い国家資格であるため、企業によっては条件交渉がしやすくなるでしょう。

 

日商簿記

「日商簿記」は、企業などの経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減の管理や一定期間内の収益及び費用を記録する知識を証明できる資格です。この資格は建設業界に特化した資格ではないですが、将来的に他の業界も検討されている方などは簿記から挑戦してみるのもよいでしょう。

 

秘書検定

「秘書検定」は、公益財団法人 実務技能検定協会が運営・実施している「ビジネス系検定」に合格した人に与えられる資格です。この資格を有していると一般的なビジネススキルが認められるので、バックオフィス業務希望者にはオススメです。取得の際は、ぜひ2級以上を目指すとよいでしょう。

 

建築事務として働くメリット

建設業界は、他の業界と比較してハードな一面があります。事務職の場合、残業は基本的にないものの、現場が多忙の時期や月末は業務が集中することも多々あるでしょう。
しかし、建設業界で事務として働くと以下のようなメリットが得られます。

業界が安定している

建設業界は国のインフラを整える重要な役割を担っています。そのため、民間企業だけでなく国家的な仕事も行い、かつ長期的な仕事が多くあります。その中でも建築事務は現場の最前線で働く人を支える仕事であり、業界的に安定した職種であると言えるでしょう。

 

ものづくりの最前線を知ることができる

他業界の多くの企業では、実際の現場を知らないまま事務業務を行うことも少なくはないでしょう。
しかし、建築事務として現場事務所への配属になると実際の作業場で仕事を行うことになるため、チームのメンバーとして他社員との交流を深めることができ、仕事への理解度も深めることができるでしょう。

 

スキル次第ではジョブチェンジも可能

中規模・大規模の建設企業では、バックオフィス業務の幅も広くあるため、ご自身の希望やスキルによっては社内異動も十分に可能と言えるでしょう。

 

まとめ

建設業界の事務職は、上記でもお伝えしたように様々な業務や働き方が選べます。他業界の事務職とは異なる仕事もあるので、事務経験者の方にとっても新鮮な環境となるのではないでしょうか。

 

 


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